大脳皮質基底核変性症|食いしばりの対処法




大脳皮質基底核変性症|食いしばりの対処法

今回は言語聴覚士さんに教えてもらった食いしばりの対処方法について記録します。

大脳皮質基底核変性症を患う母は
胃ろうと併せてお楽しみ食を取っています。

胃ろうだけに頼ってしまうと、
口の周りの機能が落ちてしまうので、
毎日「食事を取る」ことで機能の低下を
できるだけ抑えようとしています。
◆関連記事(内部リンク):胃ろうお楽しみ食(言語聴覚士からのアドバイス)

大脳皮質基底核変性症では「失語」という症状があり、
実際、母の脳の部分ではその部位の脱落が見られており、
話をすることが近い未来にできなくなってくることが目に見えています。
◆関連記事(内部リンク):CT検査の結果

口の周りの機能は食事をすることだけではなく
話すときの能力にも関わってくるため、
いま持っている機能をできるだけ維持し
大脳皮質基底核変性症の症状である「失語」を
できるだけ遅らせるように
食事を取る機会を毎日作ることに、特にこだわっています。

食事を取ることは、人の生命維持だけではなく、
「おいしかった」「満足できた」という感情面にも効果があり、
母の尊厳を守るためにも欠かせません。

このお楽しみ食のときに、母の食いしばりがひどく
スプーンを噛んでしまったまま口を閉じてしまうことがあります。

この食いしばりがお楽しみ食への拒否かと思えば、
母にとっては抗えない体の反応であることが、
主治医から教えてもらって理解しました。
◆関連記事(内部リンク):強いこわばりと食いしばり

では、この食いしばりが起きた場合、
どのように対処するのが良いのか、
母の嚥下訓練に来てくれる言語聴覚士さんに教えてもらいました。




1.食いしばりが起きたときの状況の確認



食いしばりが起きたときの様子をまず確認することが大事だそう。

母が食いしばっているときは、たいていこの様子が見られます。

  • 肩の力が入っている
    肩を触ってみると、「あれ?さっきまでこんなに固かったっけ?」と
    思うくらい力が入っています。

  • 上を向いている
    体全体が反り気味になっているというより、
    首から上が反り気味になっています。

  • 目を瞑っている
    目を瞑って咀嚼していることが多いのですが、
    食いしばりのときは目をぎゅーっと瞑っています。
    そのためか眉間に皺が寄っています。




2.食いしばりの対処方法

これをやったら食いしばりが治まるというわけではないけれど、
試してみると良いことを教えてもらいました。

  • 肩のマッサージ
    肩のあたりをさすったり、手を置いて温めたり優しく押す
    肩甲骨のあたりまで範囲を拡げマッサージをする

  • 顔のマッサージ
    奥歯のあたり(咬筋)やこめかみのあたり(側頭筋)を
    優しくマッサージする

  • 首筋のストレッチ
    ゆっくり前に倒してキープする
    やりすぎはNGなので注意が必要

  • 声かけ
    名前を呼んで目を開けてもらう

  • それでもスプーンをくわえたままの場合は
    しばらく待つ



注意点として

・そのときの体調にも左右されるので、必ずの対応方法ではない

・スプーンを強く食いしばると、歯がかけてしまうため
金属製のスプーンではなく
シリコン製のスプーンの方が良い




3.まとめ

食いしばりが起きた場合の対処法を言語聴覚士さんに教わり、
今では慌てることなく実践しています。

一度食いしばりが起きると、もう食べなくなります。
そしてたいていの場合、
途中から食いしばりが起きることよりも
その食事の最初から起きることが多いように感じます。

お楽しみを別の時間に改めると
普段通りにお楽しみ食を楽しんでることを考え合わせると
さっとお楽しみ食を中止することが良いのかもしれません。

言語聴覚士さんに教えてもらって、
何よりも私が慌てずに母に対応できるようになったことが良いことです。

スプーンを何とか取ろうとむやみに働きかけていたときは、
母はこのままずっとスプーンをくわえたまま生活していくんだろうか
と思ってみたりもしていましたので。


介護をしていないときには知りえなかったことがたくさんあり、
多くの困難にもぶち当たります。

どんなに予防していても訪れる不意な出来事に対して、
実はとても慌てますが、
できるだけ落ち着いて、
母の様子をよく見て知り、
困ったら周りにいる人、特に専門家に相談してみることで、
ゆっくりでも対応していけばいいんだと最近よく感じます。




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