大脳皮質基底核変性症|強いこわばりと食いしばり
今回は大脳皮質基底核変性症に現れる強いこわばりと食いしばりについて記録します。
大脳皮質基底核変性症には「筋肉のこわばり」という症状があります。
筋強剛とも筋固縮ともいわれます。
<参照(外部リンク)>
・大脳皮質基底核変性症(CBD)診療とケアマニュアル
・住友ファーマ「健康情報サイト」
母は右側(右手)が強く固まってきており
ぎゅーっと力が入っているように見えます。
最近では右足も固まってきて
くの字になっているのが常態化しています。
これは主治医に前から言われているとおりで
右手から右足、そして左側に順番に症状が出てくる
つまり進行している現れなのです。
特に右側のこわばり(内部リンク2024/04/15の記事)は強く現れてきました。
最近では、母のお楽しみ食の際に力が入っていて食事を楽しめないことがあります。
1.食いしばり
母はお楽しみ食で
プリンやコーヒーゼリーなど甘いものを
中心に楽しんでいます。
「おなかがすいた」というので
いざ食べさせようとしたとき
スプーンで口にプリンを入れたら
そのままスプーンを噛んでしまって
スプーンを取るのにとても苦労するくらい
食いしばっていました。
私はその様子を見て、母は食べたくないんだと思いました。
それでも何回かチャレンジをしてみましたが
食いしばったまま。
「もういらないんだね」
とお楽しみ食をほとんど食べていないけど、終わりにしました。
「ごちそうさま」と終了した後
母はなんと
「食べたかったけど食べれなかった」
と言ったのです。
え?・・・えええ?
思考が止まってしまうくらい驚きました。
確かにお腹がグーッと鳴っていたし
「お腹がすいた」と言っていたし
胃ろうから時間が経っていたし・・・
口を開けなかったから
食べたくない
という意思表示をしているのだと思っていました。
そして肩から首のあたりを触るとぎゅーっと力が入っていてカチカチです。
ぎゅーっと固まってしまっていました。
そこで今月の通院時に主治医に聞いてみました。
- 最近お楽しみ食のときにぎゅーっと食いしばって食べないときがあります。
そのときに肩を触ると力が入っていてカチカチになっているのですが これは自分の意思で力が入っているのですか?
- ぎゅーって食いしばるのは自分の意思ではなく、この病気から来るどうしようもないものです。
本人は食いしばりたくなくてもぎゅーっと固まってしまう。
食べたくても食いしばってしまうのです。
避けられないものなのです。
そっか・・・食べたいと思っていても
勝手に力が入っちゃうんだね、お母さん。
2.固縮と拘縮
- 固縮と拘縮はどう違うのですか?
- 簡単に言うと
大脳皮質基底核変性症の固縮は頭の神経から運動神経が固まって動かなくなることです。
筋肉のこわばりです。
拘縮は関節が固まることです。
動かしにくくなったことです。
つまりお母さんの状態は両方です。
3.まとめ
最近のお楽しみ食では、食いしばってスプーンを強く噛んで、そして噛んだままでしばらくいることを目にすることがあります。
母に「本来の食事のカタチを楽しんでもらいたい」という目標を持っているのでそれができないときには
どうして?
どうしたの?お母さん?
と母の気持ちを推し量ろうとしますが、よくわからないままでした。
「お腹がすいた」と言ったり
お腹がグーと鳴っていたりして
お楽しみ食を楽しみにしている様子なのに。
でも
それは大脳皮質基底核変性症から来る抗えないものだと主治医に教えてもらいました。
こうやって教えてもらい、母のことを理解します。
病気だから仕方がないというか、諦めなくてはいけないことが多くあります。
できるだけ母の気持ちを理解し
私がそれを正確に代弁して
少しでも施設の生活を母が穏やかに過ごせるように
と思っています。
通院から戻ったら主治医から聞いたことを施設側にきちんと伝えます。
それが私の役割です。
少しでも母のことを知ってもらうように。母の病気のことを知ってもらうために。
他の記事はこちらから…介護記事一覧