大脳皮質基底核変性症|胃ろうお楽しみ食(言語聴覚士からのアドバイス)




大脳皮質基底核変性症|胃ろうお楽しみ食(言語聴覚士からのアドバイス)

今回は、言語聴覚士さんからお楽しみ食についてアドバイスしてもらったことをまとめます。2024/03/31




母が胃ろう造設してから時間が経ち、落ち着いてきました。
大脳皮質基底核変性症の症状である「失語」を
できるだけ先送りにするために
いろいろ策を講じています。

言葉を話す機能は食事を取る機能と
ほぼ同じ部位であるため、
胃ろうで必要最低限の栄養を確保しながら、
口から物を食べること(お楽しみ食)を
意識して取り組んでいます。

胃ろうによって必要な栄養が体を整え、
それによって、
口から物を食べることができるようになり、
そして口の機能を保ちながら、
言葉を話す能力を保つ
もしくは緩やかな下降を描く
ということを目標にしています。


実際、母に起きた変化は

  • 力強くしっかり噛み砕くことが復活

  • しっかり何度も噛むことができるようになった

  • 唾液が出てくるようになった

  • 咀嚼後の飲み込みがスムーズになった

  • 食後の歯磨きではほとんど食べ物が口の中に残らなくなった

  • 肩の力が適度に抜けて歯を食いしばることが少なくなった

と、言語聴覚士さんの評価を受けました。

私が母を見ていても
口で食べる能力が向上したというか、
残っていた力が復活してきたという感じです。
もっとお楽しみ食を効果的にするために
言語聴覚士さんからアドバイスをもらいました。



1.食べる姿勢



母は食事を取るときは、
ベッド上ではなく、必ず車いすに乗り、
食堂へ移動することにしています。

「食事をする」という切り替えと
他のメンバーと一緒の空間で食べることを
意識するためです。

そして
テーブルについたら
言語聴覚士さんからのアドバイスを取り入れます。

1.車いすの足を乗せている部分(フットサポート)から足をおろし、床に足を付けた状態にする

足を床に付けることで、体のバランスを取りやすくなること、姿勢を正せることが期待できます。

2.深く座ること
おしりと背もたれの間にすき間がないようにする

背筋が伸びて顎が上がるのを防げます。
大脳皮質基底核変性症では
半身(母の場合は右側)の筋肉が
固縮しているのでバランスが取りにくい状況です。
母にとってバランスの取れた状態を心掛けます。

3.顎をひく
顎をあげた状態で食事を取ると、誤嚥を起こします。
大脳皮質基底核変性症では
喉の半側の運動機能の障害が出ているので
誤嚥予防に注意を払います。

4.頬のマッサージをして唾液を促す
胃ろう後、唾液が少しずつ戻ってきているようですが、
唾液分泌する一手を加えます。
食べ物を順々に喉の奥へ押しやるために
唾液が重要な役割を果たします。
大脳皮質基底核変性症のように
運動機能の障害が口の半側に出ている場合は
特に唾液の分泌が重要な役割を果たします。

5.あいさつ
「いただきます」と言ってから食べ始める
食べ終わったら「ごちそうさま」と言う

「食べる」という一連の動作の始まりと終わりを
明確にすることで、
食事を楽しもうとすること、楽しめたことを意識的にします。

2.食べさせるタイミング

母に食べさせる時の注意点です。

  • 1.目でスプーンの上の食べ物を見せる

  • 2.口をあいたらいれる

  • 3.急がない

  • 4.口をあかないときは声掛けで促す

  • 5.ベロの上に食べ物を置く (自分で食い込みにいかないため)

  • 6.ごっくんするまで見守る

大脳皮質基底核変性症で
半側に運動機能の障害が出ていることに注意が必要で
母の左側に座って介助することや
スプーン上に乗せた食べ物を左側に意識して入れる
などほんの少しの気配りです。

3.食事メニュー

  • ペースト状であること

  • 母はゼリーやプリンを食べることができているので、
    そのような形態にすればいい

  • 口の中でばらばらになってしまうものは避ける
    (たとえば、おかゆで米粒が口の中でばらけるのはNG)

  • 必ずしもデザートでなくても良い

  • 食事メニューにしても良い



4.母のためにメニューを考えた

言語療法士さんから
「食事メニューでも良い」と
アドバイスをもらったので、
食事メニューを考えました。

母の大好物である「うなぎ」を
食べさせてあげたいと思いました。
今の旬のいちごも!

そこで、うなぎ丼とイチゴミルクを作りました。

うなぎは香ばしい香りが漂いました。
母が昔元気だった時に食べたうなぎ丼を思い出してくれたかな。

イチゴはフルーティーな香りが赤いイチゴの実を想像させることができました。

どちらもスプーンが進みあっという間になくなりました。

「おいしい」を連発して食べました。

食に前向きな母の姿を見て、
胃ろうを迷ったけれども、
造設して良かったと思いました。



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