空き家になった実家じまいを振り返って|実際に片付けをやり切ってこれだけはやるべきだと思うポイント
ここでは実家じまいを振り返り、3カ月でやり切った家中の荷物の片付け方法を書き記しています。
父は認知症(他界)、母は難病(大脳皮質基底核変性症)。
母は難病を患い施設に入所してから3年。
難病の経緯、闘病生活はこちら<内部リンク>
母の持ち物である実家は施設入所以来ずっと空き家になったまま。
その空き家になった実家をどうしていくのかを母と話し合い、メリットデメリットを十分に検討したうえで母の希望により実家じまい(実家終い)を私がすることになりました。
実家の状況は4LDKの築30年超、長年の荷物が家の中に詰まっていました。
黙々と片付け作業を続けるも、部屋の中はどんどんぐちゃぐちゃになり片付けるべき荷物の中にぽつんと座り手も足も出なくなり黄昏たこともしばしば。
「これで少しは片付いた」と思いきや、また押し入れから物が出てくることを何度も繰り返し、途中で挫折しそうになりました。
実践してみて想像以上に出てくる荷物の行く末の判断に手間取りました。
物理的整理だけでは割り切れない心理的整理「思い出が詰まっている」「まだ使える」「もったいない」などが私の心を揺さぶりました。
実家のすべて荷物を片付け切ることに充てた時間の中には、こういった心の整理時間が必要だということを、自分が実践したからこそ気付いたことでした。
「始めるより終いはかなり難し」これが実家じまいすべてにおける感想です。
1.情報収集はしっかりと
最低限これだけはやっておくと良い情報収集。
実家の住所地の自治体のごみルールを把握できる情報(頒布冊子やネット掲載)を手に入れる。
自治体の粗大ごみルールを把握しておく。
自治体の資源とごみ持ち込み処理場の場所を把握しておく。
自治体のごみ持ち込みは本人確認が必要なため、前もって「代理で行う」場合について調査しておく。
自分の居住地のごみ処理方法も併せて頭にいれておく。
24時間営業の古紙回収ステーションの場所を把握しておく。
「〇〇市 資源とごみの分け方ルールブック」
「〇〇市 ゴミ分別早見表」
・粗大ごみになるサイズの確認(1辺が60センチ以上のもの)
・戸別回収(有料)の場合、回収曜日と処分料金
・自己搬入の場合、営業日時と処分料金(10キログラム単位)
2.「物の行く末」分類カテゴリの判断
実家の荷物を4つのカテゴリ分けすることにしました。
処分
下記に該当しない物を対象に。保管
自分の家に持って帰る物、私が使いたと思う物、また母がこれは残して使ってほしいと言った物を対象に。再判断
判断に迷い、いったん時間を置きもう一度判断する物を対象に。価値判定
価値のありそうな物を対象に。
関連記事:「物の行く末」分類カテゴリ|実家じまい|実家の片付け<内部リンク>
3.「物の行く末」分類カテゴリ決定後の場所確保
カテゴリ別場所の確保
「保管」カテゴリの持ち運び用に段ボールや袋を用意しておく。
所在地の自治体ゴミ袋(有料)をすべての種類用意しておく。
カテゴリ別にビニールシートを用意し(4枚)、部屋の中に敷く。
実家の荷物をひとつひとつ判断したらカテゴリ分類別にビニールシート上に置いていきました。
「処分」カテゴリの荷物は、自治体ルールに基づき、対象のゴミ袋に入れていきます。
例えば、食器であれば不燃物を入れる自治体専用ビニール袋に、紙類であれば資源ごみを入れる自治体専用のビニール袋に。
4.持ち出し物の優先順位の決定
実家の荷物を分類する作業は実家の中の作業。
それと並行して、実家の荷物を実家から持ち出す作業が必要になります。
各ビニールシート上に置いた物や大型家具の数を把握し、いつに持ち出す(処分)のかを考えます。
大型家具や家電製品などは自分の手で行えないので予約等が必要になるため前もって計画することが必要です。
自治体によるかもしれませんが、「処分」カテゴリのうち家庭ごみに分類されるものは、ごみ収集日に一度に大量に出すことはできないというルールがありました。
そのため地域で指定されたルールに則り、ゴミ収集の当日の朝に収集場所に少しずつ出したり、まとめて出したいときには自治体のゴミ処理場に自身で持ち込み処分してもらいました。
【リサイクル可能なもの】
買取業者に買い取ってもらうこともできます。
新品の傘、タオルセットなど買取業者に持ち込み査定してもらいました。
【エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機】
年式が新しいものは買い取り業者が引き取ってくれる可能性があるため、製造年月日や型式をメモして買い取り業者に問い合わせました。
買取に至るには家電製品が正常に動作することや傷がないことなど様々な条件があるようです。
買取できないと判断された場合でも製品の状態により無料で引き取ってくれることもあるようです。
また家電リサイクル法対象機器なので自治体で収集してもらうことはできませんでした。
自治体の案内によれば購入したお店に引き取り依頼するか、自治体が指定する業者に持ち込むことが可能の場合もあります。
家電リサイクル法に基づいて処分料金が必要になります。
【パソコン・携帯電話】
「資源ゴミ」として回収してもらうことができる自治体もあるようです。
パソコン回収専門業者もあるようなので相談します。
5.買い取り業者の選定
「価値判定」に分類した実家の物についていくつかの買い取り業者に問い合わせをしました。
買い取り業者は専門を掲げている業者(例えば、骨董品専門、レコード専門、お酒専門)や「遺品何でも買い取ります」と謳っている業者もいます。
電話での問い合わせ時にだいたいの値段を教えてくれる業者もいますので売るかどうかの判断ができます。
また「持ち込み」または「訪問」業者がいます。「訪問」の場合は査定する品物数によるところもあります。
「実家の物を所有している人」というのが重要で、私のように母の代行の場合、査定の段階でその場に持ち主本人がいなければ、委任状や本人確認の証明書類が必要でした。
「価値判定」に分類した物を私はアプリを使い管理したので査定結果も記録しました。
買取業者への問い合わせから買取までの流れはこんな感じでした。
- 問い合わせ(電話またはメール)
- 内容の聞き取りおよび日程調整
- 訪問および査定、見積り
- 見積額の提示
- 契約締結
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6.モチベーション確保の努力
侮るなかれ、意外と大事なモチベーション維持です。
最初から根を詰めてやってしまうとモチベーションが保てなくなるのでほどほどにする。
できるだけ同じ作業をまとめて行うことで無駄な動きや時間を解決する。
関連記事:「効率化を考える|実家じまい|実家の片付け<内部リンク>
まとめ
1軒をまるごとすっからかんにすることは、①実家の中の荷物の分類判断と②その分類されたものを実家から持ち出す作業の2ステップになります。
分類判断に時間がかかればかかるほど、実家から持ち出すタイミングが遅くなります。
そうなると作業は長期化してしまう可能性が出てきて気分的に嫌になります。
私は片付けが特に苦手なので実家じまい(片付け)の作業に向いていないと思っていたため、作業が終わる(すっからかんにする)期日順守を特に意識して行いました。
荷物を判断してビニールシートに置いていく作業を繰り返す
そのビニールシートがいっぱいになったら実家から持ち出せるようにゴミ袋や段ボールに入れていく作業を繰り返す
自治体が発行している冊子とにらめっこし、処分方法に色分けされたビニール袋にいれていくことを繰り返す
それらがいっぱいになったときに家から持ち出して処分する
これだけを繰り返せば荷物が着々と家からなくなっていきました。
番外編ですが、ゴミ処分場に何度か運び込んでいるうちに「大変だねー」「暑いのに親御さんの代わりにがんばっているね」とゴミ処分場の現場の人とコミュニケーションが生まれて黙々作業の息抜きができました。
実家の荷物を片付けている私みたいな人を他にも見かけると聞き、会ったこともない人も私と同じように実家の片付けに向き合っているのかと思うと身近に感じやる気が出てきたりしました。
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