空き家になった実家じまい|費用を抑えて自力で行った3カ月ですっからかん!片付け方法|スタート編




空き家になった実家じまいを振り返って|スタート時点でやって良かったこと

ここでは、実家じまいを振り返り、やみくもに片付けるのではなく決めた期日までに計画的にすっからかんにするためにやってて良かったこと(スタート編)を書き記しています。

父は認知症(他界)、母は難病(大脳皮質基底核変性症)。
母は難病を患い施設に入所してから3年。
難病の経緯、闘病生活はこちら<内部リンク>
母の持ち物である実家は施設入所以来ずっと空き家になったまま。
その空き家になった実家をどうしていくのかを母と話し合い、メリットデメリットを十分に検討したうえで母の希望により実家じまい(実家終い)を私がすることになりました。

実家の状況は4LDKの築30年超、長年の荷物が家の中に詰まっています。
これを「すべて片付ける」と簡単に言っても途方に暮れるような作業だと簡単に想像できます。
そこで取り掛かる前に母と目標を立てました。
それに基づいて家の中の片付けの効率化を私なりに考えました。
そして全体像をスケジュール化しました。




1.母と立てた目標4つ|実家じまい|実家の片付け

①「費用を抑えて」
専門業者に頼めば簡単かも。でもその対価として高額な費用がかかる。

②「自力で」
荷物の必要不要の選択は身内で行いたい。

③「できるだけ短期間で」
夏の高温期は体調面を考えてその前に終わらせる。四季のうち気候のいいときは3カ月くらい。

④「計画的に」
がむしゃらにやるのではなく仕事ばりにタスク管理、作業効率を考えて、作戦を立ててから行う。

当然ですが、専門業者に依頼することも可能です。
「一軒まるごとパック」なるものがあり家の広さや荷物の量や仕分け処分方法などによって見積もられます。
家の中の荷物の仕分けのルールがあいまいで引けず、また自分の目で見て判断したいという気持ちがあったので私がすべて行うことにしました。

季節柄、梅雨や猛暑を考えると気候のいい時期に行うのがベスト。
電気代のかからない太陽の陽がある間を作業時間と設定すると、一日のうちで私が可能な時間は、週に2日、午前は2時間程度、お昼時間を除いて午後は3時間程度となります。
「この日までにやるぞ」とゴールを設定することによってある程度頭の中で逆算ができました。

2.効率化を考える|実家じまい|実家の片付け

私は会社に勤めていたので実家じまいに充てることができる時間が限られていました。
そこで実家じまいに充てる時間をより濃いものにするために「効率UP」を考えました。
①「シングルタスク」
②「ヘミングウェイ方式」
という二つのことだけを意識することにしました。
私は片付けが得意ではなくどちらかというと苦手なので、やる気を削がれてしまい投げ出してしまわないようにしようと思いました。


①「シングルタスク」
同じことをまとめて行う方が効率が良いということを聞いたことがあります。
例えば、食器の片付けをする場合
・棚から食器を出して
・不要か必要か判断して
・処分するならば市の分別方法は何かと確認し
・保管しておくならば持ち帰るように箱にしまう
という作業は
おおまかに4つのことをやっていることになります。

これを
「棚から食器を出す」を繰り返します。
それが終わってから、すべて「不要か必要か判断する」を繰り返します。
という具合に行うことで、気が散ったり部屋や場所の移動時間を減らせます。

そして「シングルタスク」の良いところは、限りが付きやすいことです。
手を止めて休憩してから作業に戻っても、「あれ?何をやっていたんだっけ?」となりにくいメリットがありました。


②「ヘミングウェイ方式」
参考:「ヘミングウェイ方式」とは<外部リンク>
参考:「明確な目標があったか」<外部リンク>
これは時間と量の目標を定める方法です。
私は
「ゴミ袋大サイズ2袋ができたら片付けを中断して実家から帰ってもいい」
「2時間片付けをしたら中断して実家から帰ってもいい」
と決めました。

片付け始めると家の中が、始める前よりももっとぐちゃぐちゃになります。
「このまま全部片付けれないのではないか」という自問自答が始まります。
「もう少しがんばろうか」「いやどうせここでがんばっても大して変わらないのでは」と「片付けなければ」と「中断したい」という気持ちで揺れ動きます。
そんなときにヘミングウェイ方式で立てた目標がとても有効でした。


3カ月の片付け期間を振り返ると
ぐちゃぐちゃの部屋の中からゴミ袋2つを作って逃げ出るように実家を後にしたことがたくさんありました。
そうやって逃げ出しても、次のときには気持ちを新たにして片付けに実家に来ることができましたので、こういう目標の立て方がストレス軽減を担っていたと思いました。

3.「物の行く末」分類カテゴリ|実家じまい|実家の片付け

私は実家の物を4つのカテゴリに分類することにしました。
①処分
②保管
③再判断
④価値判定

「価値判定」とは価値のありそうな物を分類します。例えば壺や絵画、カメラ、時計、茶器セットなど。
分類については私の判断に任せるという委任を母からもらっていたのですが、母から申告のあった「高価な物」も含め、一般的に価値があると判断される物については買取専門店に依頼しました。
これらはアプリ(自作)で管理し、その結果を母に報告しました。

「再判断」は判断に迷い、いったん時間を置きもう一度判断する物を分類。
「保管」とは自分の家に持って帰る物、私が使いたと思う物、また母がこれは残して使ってほしいと言った物。
自分の家に持ち帰っても保管スペースがたくさんあるわけではないのでそれを加味して分類。
部屋に4枚のビニールシートを広げ、それぞれに置いていきました。

4.整理の要:心の整理が必要不可欠|実家じまい|実家の片付け

「実家じまい(荷物の整理)」というのは物理的整理と心の整理の2極だとわかりました。
実際に作業をしていると
物理的整理の度合いが高ければ、処分判断が簡単で、対極の心理的整理の度合いが高ければ、処分判断が難しいということがわかりました。

そこで荷物を手に取ったときに、直感的に(この上記イラストのどこに位置しているかを)判断することで不要か必要かをある程度の物差しで決めることができました。

両親の所有物や自分が小さい頃から目にしてきた物など、手に取れば心の想いが強くなり片付け作業が進まなくなります。
「実家じまい」をすると決めたということは、物の処分だけではなくこれら心の想いの整理の覚悟も必要であることを含んでいるのだと思います。
頭でわかっているものの、実家の荷物を手にして、若かりし頃の両親の想いを感じて処分判断に苦悩し何度も手を止めました。
想いの強い物はいったん処分判断を見送り、「再判断」に分類。
想いは実家を整理するには必要不可欠なことと受け入れどっぷり浸りながら別の作業をし、ある程度の時間経過後にもう一度処分判断をする。
この方法で押し寄せる想いと物を切り離すことができ実家じまいを進めることができました。



実際例「カップルのこけし」
父がこけしが好きだったようでたくさん収集し飾ってありました。
裏面を見たら私が生まれて間もない頃の日付が刻まれ、「幸せに」という言葉と私の名前が入っていました。
父の字です。
涙が自然にあふれ「心理的整理」の度合いはMAXになりました。

こういう想いは人として大事な部分であって実家じまいをするということは自分の突き動かされる感情に寄り添い、思い出や感謝を思い浮かべて、そして終いにすることだと思いました。
これをなくして「実家じまい」はできないと思いました。
これをないがしろにすれば後々心のバランスが崩れるかもしれません。
「再判断」グループに分類し並行して、一般的価値(こけし作家)を調査。
その上で私には価値がある物だけれども「財産」として価値がない物となりました。
次に、母からは「不要」という判断をもらっていたので私の家に持ち帰って保管するスペースがあるのかということが判断基準になり・・・
結果、いまは私の家に飾ってあります。

5.実家にある物をまず見よう化|実家じまい|実家の片付け

どれくらいの量の荷物を片付けることになるのか。

「木を見て森を見ず」とならないように、まず全体像を把握しました。
あまりの物の多さにひるみ、とにかく少しでも「片付いてきたぞ」という安心感が欲しくて目の前の物からがむしゃらに片付け始めたくなりました。
実際にがむしゃらにやってみたのですけど部屋を行ったり来たり、うろうろする時間がどんどん増えてきます。
物が多いと「片付いたな~」と実感できるのは意外にも先のことになります。
そこで
まずは全体像を把握。
つまりこの家の中にどれだけの大型家具があり家電があり寝具があり・・・ということを部屋を回り見て頭に入れていきます。
そして「必要→保管」となった場合、どこに保管するか、自分の家ならば当然そのスペースの確保が必要となるので「必要→保管容量」をある程度頭に入れておきます。
そうすると自ずと「必要か不必要か」の具体的判断基準が感覚的に定まってきます。

6.ざっくりとしたスケジュールを|実家じまい|実家の片付け

ゴールを決めることである程度の逆算ができます。
3カ月で行うと決めた私は、ざっくり3等分。
1か月目を見えるところへの物出し、その処分判断
2か月目を家具や家電、趣味の品物の行く末の決定(買取、査定、譲渡、処分)
3カ月目を実家からの運び出しをメインに

このスケジュールで意外にも大変だと思ったことは「居住地でのゴミ出しルールに則った処分方法」でした。
ゴミ出し日は当然曜日が決まっていますし、粗大ごみの回収も予約が必要で希望した日にちで調整がつかない場合もありました。
また居住地のゴミ処分場への持ち込みも曜日と時間帯が決まっており、毎回の身分証明(居住地に在住している人が乗車している持ち込みゴミという条件があります)も必要でした。

まとめ

1軒をまるごとすっからかんにすることは、「実家じまい」と口に出すよりも、またそれを想像するよりも、はるかにたくさんのことをしなければなりませんでした。
母の持ち物の家の片付けを代わりに行う(代行)、できるだけ母のお金を減らさないで行いたい(費用を抑えて)ことが、気持ち的にも体力的にもより負荷になったかもしれません。
処分判断は委任されていたので楽だったかもしれません。

3か月で自力で費用を抑えてやることができた「実家じまい 片付け」を振り返ると、始める前に、仕事ばりにある程度の計画や作戦を立てたことが功を奏したのではないかと感じました。

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