大脳皮質基底核変性症|食事姿勢(頸部後屈)
今回は言語聴覚士さんに教えてもらった食事姿勢(頸部後屈)について記録します。
大脳皮質基底核変性症を患う母のお楽しみ食の様子を見ていると、
食いしばりが起きるのをほとんど見かけなくなりました。
それに代わって
よくよく見ていると
顎が上がって首が後ろに反り気味なこと(頸部後屈)が多いことに気づきました。
この状態でのお楽しみ食、特に水分のあるもの(コピーゼリーのフレッシュミルクや麦茶)ではむせる時があります。
「顎が上がり気味だったね」と気づく程度の後屈具合です。
以前から
「誤嚥を減らす姿勢をとる工夫」(内部リンク)
として
「下を向いて」「顎を引いて」という声掛けは積極的にしています。
では、母にとって
顎を引いているつもりになるのはどうしてなのかと思えば、
ここ最近右足がまっすぐに伸ばすことができなくなってきたことが思い当たります。
ベッド上では右足が、くの字に曲がったままになっています。
車いすでは右足を右側のフットサポートに置くことはできず、
左側のフットサポートに置くしかないくらい固くなってしまっています。
私から見たら車いすに乗っている姿はバランスが悪いように見えます。
でも本人はバランスを崩すことはなく、
それが正しいかのように傾くことなくうまく座っています。
もしかしたら頸部後屈でバランスを取っているのかも・・・
それが続いて首のあたりが固くなってしまったのかも・・・
思いを巡らせながら、母の頭を下に向かせようとしましたが、
体ごと前に倒れ気味になってしまいました。
頭が下に向かない!
そんなときに言語聴覚士さんからアドバイスをもらいました。
1.マッサージするべき2箇所
①頸部のマッサージ
「お母さんの頸部は固まっています。そのため下を向くことが困難になっていますのでほんの少しマッサージをして手助けすることで頭を下に向かせることができるようになります。」
「両手を使って、頭の下の凹んでいるところあたりを押しながら、ゆっくり前に傾け、頸部の筋を伸ばしてみてください。」
②喉仏あたりのマッサージ
「ここをほぐすことで首の筋肉がほぐれます。」
あら不思議!不思議!
母は自分で顎を引いて下を向くことが簡単にできるようになりました。
確かに本当にちょっとの手助けだけで!
お楽しみ食をとる前に行えば、むせなく食べ物を食べることができるとわかりました。
2.頸部後屈
頸部後屈になっているのはバランスを取るためかもと考えてみましたが、
大脳皮質基底核変性症には「体幹部や頸部に強い筋強剛/頸部後屈」という症状がありました。
参考:パーキンソン病と関連疾患(進行性核上性麻痺大脳皮質基底核変性症)の療養の手引き厚生労働科学研究費補助金難治疾患克服研究事業神経変性疾患に関する調査研究班
これはまさに今の母の状態のことです。
3.まとめ
母の場合、食べ物を口から食べることはとても重要なことです。
ほんの小さな変化でできなくなるので、できる限り早く対処して何らかの解決をする必要があります。
変化がこの大脳皮質基底核変性症の症状のひとつであるとなれば
覚悟も必要です。
偶然起きたことではなく必然だから。
治ることがない以上どうやっても避けられない変化だからです。
大脳皮質基底核変性症という病気の症状は多岐にわたります。
同じ病名でも、脳のどちらに障害が起きるかによって症状も違います。
そのためこの難病からの症状なのかを見極めることが困難なことも多いのが現状です。
つかみどころのないこの難病。
決して治ることがない病気。
常に母の様子をよく見て
何か起きたら対応していく。
わからないことは専門家に尋ねる。
これが今私が母にできることかな。
母ができるだけ穏やかに楽に生きていけるようにサポートすること。
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