大脳皮質基底核変性症|誤嚥を減らす姿勢をとる工夫




大脳皮質基底核変性症|誤嚥を減らす姿勢をとる工夫

このページでは大脳皮質基底核変性症を患う母の闘病記、誤嚥を減らす姿勢をとる工夫について記録しています。

「嚥下障害」は大脳皮質基底核変性症の症状です。

難病情報センター:大脳皮質基底核変性症とは<外部リンク>

「大脳皮質基底核変性症」が進行すると構音障害、失語、嚥下障害が出てきます。
口の部分に関連しています。
母は水分を取るとき、むせる回数が増え激しく咳き込み「ヒーヒー」と人間の声とは思えないような声が出て本人も周囲の人もびっくりしてしまうくらいです。
言葉は出にくく呂律が回っていないように聞こえます。
話し出すのに少し間があったりします。
病気が進行しているのだと感じる瞬間で横にいる私は心が苦しくなる瞬間でもあります。
喉付近に起きている障害なので特に嚥下について注意をしているところです。

先日介護士さんから「飲食のときは下を向くといいよ」と教えてもらいました。



1.「下を向く」姿勢

その介護士さんのアドバイスを聞いてすぐに母に「下を向いて」と声掛けをし、飲み込むまで下を向くようにしてみたら、驚くほどにむせることが少なくなりました。

「下を向くと喉頭口は狭くなります。そのため、飲み込むときに喉頭蓋がしっかり喉頭口を覆い、食べ物が気管へ入っていくのをふせぎやすくなります。下を向いた姿勢での飲み込みはとても安全な飲み方なのです。」
引用:昭和大学歯科病院 口腔機能リハビリテーション科

確かに自分でもやってみると狭くなります。

こういう方法があったとは!

もっと早くから母に下を向く意識を持ってもらえたら良かったと思います。

2.「下を向く」姿勢をとる工夫

もう少し早く知って実践していればもしかしたら母が習慣化していたかもしれません。
「誤嚥は病気からくる症状だから仕方がない」と思っていたのですが明らかに私の情報収集不足です。

何事もですが、特に日常的に無意識にやっていることを変えること、今すぐにその行動を持続させることは、母だけではなく私でも難しいので、どうしたらいいのかと考えてみました。

一番有効なのはその時々の声掛けです。

「下を向いてー」と毎回毎回飲み込む度に伝えてみました。
食事中に「下を向いて」と命令ばりの言葉ばかりが宙を舞い、「おいしい」「おいしくて幸せ」という食事に対する気持ちを塞いでしまいそうです。



私は言われないとできないからなぁ・・・


母のこのつぶやきに私の声掛けが過度で負担になっているのかもと思いました。
誰だって何度も何度も注意されていると感じたら食事の気分も下がります。

私は母に意欲的に食欲を満たしてほしいと思っています。

特に病気の進行でできることが少なくなってきてベッドに寝ていることが多く気持ちが塞ぎ込みがちなので、食事のときは「食べさせられている」ではなく「食べたくて食べている」と自分から行動をしてほしいと私は考えています。

次に「下を向いて飲み込む」行動を促すために有効だと考えたのは、母の行動ではなく介助する側の行動を変えることです。

そこで私は食事介助をするときは、自然と母が下を向くようなところでスプーンを出したり、ストローを差し出したりするようにしました。

併せて食事中「何度も」声掛けをするではなく「何度か」の声掛けにして「下を向くと良い」という意識を思い出してもらうようにしました。

そしてありきたりなのですが「むせずに食べれたね」「むせずに食べると苦しくなくていいね」「上手に食べれたね」と褒めるようにしました。
食事が義務的行動ではなく自ら進んで「おいしい」と思ってもらえることを期待して。

まとめ

「大脳皮質基底核変性症」の症状のひとつ嚥下障害。
飲食の時に必ずむせかえって苦しそうにしている母でしたが、介護士さんのアドバイスにより「下を向いて飲み込む」姿勢でむせることが少なくなりました。

この行動をうまく持続するためには

  • 母への声掛け

  • 介助するときの工夫

の2つの組み合わせによって「食べたい」という欲求をマイナスにならないような工夫をしていくことで、むせかえることを少なくし、誤嚥を防止することができると思いました。

喉付近の力を持続できるようにおしゃべりを楽しんでもらうことも併せてやっていこうと思います。


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