大脳皮質基底核変性症|コミュニケーション
このページでは大脳皮質基底核変性症を患う母の闘病記、コミュニケーションについて記録しています。
大脳皮質基底核変性症の症状である「構音障害」と「失語」は指定難病の登録や更新時の提出に必要な「臨床調査個人票」の中に記載があります。
この調査票は主治医が記入するものです。
難病情報センター:大脳皮質基底核変性症とは<外部リンク>
1.現状
【構音障害について】
大脳皮質基底核変性症の症状が出始めて8年の現在、母は話し出そうとすることと、相手の言葉に対して何らかの返事をすることはできます。
ただ、はっきりと言葉として聞き取れる場合とはっきりと聞こえないけれどこちらが聞き取ろうとして想像することで言葉を聞き取れる場合と全く言葉として聞こえない場合があります。
私の感覚的な判断ですが現在割合として2:3:5くらいだと思います。
2カ月前には7:2:1という割合でした。
通院時に主治医から「症状が進むとすれば言葉が聞き取れないときが来ます。まったく言葉として聞き取れなくなります」とずっと以前から教えてもらっていましたが、その時点では「言葉として聞き取れない」ということを私が想像ができませんでした。
でも今はわかります。悲しいことによくわかります。
それでもコミュニケーションを取ろうとする母の気持ちはありますので、私なりに必死に聞き取ろうとしたり想像して聞き直したりして何とか会話を続けたいと思っています。
何を訴えているのか聞き取れないままだと母が要求していることに気づけないことになります。
【失語について】
主治医の先生から教えてもらっている症状のひとつに「失語」があります。
「ぱたりと静かになります。」というのですが、「話しかけても何も言わなくなります、自分から話し出す(自分の要求を言葉で表す)ことがなくなります。本当に静かになります。」とのことです。
言語をつかさどる脳の機能が大脳皮質基底核変性症によって失われるということです。
2.やっておきたいこと
「コミュニケーション」というと一般的には「言葉のやり取り」だと捉えることができますが、「自分の気持ちを伝える」にあたり必ずしも「言葉」である必要はありません。
それは言葉を使わなくてもできる「コミュニケーション」です。
目の動きで相手の気持ちを知ることができますし、指さしなど手を使って表現することも可能性として存在します。
ただ、言葉が出なくなってきたからといってすぐさま言語を使わないコミュニケーションへ移行しようとしても無理がありますので、前もってリハビリに取り入れてもらってコミュニケーションの選択肢を増やしておくとありがたいのです。
生活していると要求がある程度固定されてきます。
訴えの内容を洗い出し周りが共有するだけでもコミュニケーションの可能性が広がります。
そのうち失語の症状も進行してくるでしょう。
少しでも長く自分の中にある意志を伝えて、相手に理解してもらうという社会的生活が満たされたものになることを願うばかりです。
まとめ
「大脳皮質基底核変性症」の症状のひとつに「構音障害」と「失語」があります。
例え難病の症状のひとつであっても、できる限りコミュニケーションをできる可能性を持ち続けることができるといいなと思います。
ゆっくりと進行するこの「大脳皮質基底核変性症」なので母だけではなくまわりも苦しみが少しでも軽くなる方法を探しています。
「できるだけ状態を下降させないこと」
罹患数が少ない難病であるためにわからないことが多く個人差も多いと聞いています。
それでも「情報を知ること」で前もって対処しておける手立てがあるならば積極的に取り組んでいきたいと思います。
母からの話しかけは自分の欲求を伝えるだけではありません。
先日は「○○はどうだった?うまくいった?」と私に話しかけてきました。
それは少し前に「初めてのことで心配なんだ」と私が母に意図もなく日常会話で伝えておいたことです。
それをちゃんと覚えていて「どうだった?」と聞いてくれたのです。突然だったのでびっくりしました。
覚えることができている、思い出すことができている、自分から言葉として話しかけることができている。
母のまだできることを少しでも残しておく方法を探しています。
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