大脳皮質基底核変性症|頻尿と便秘




大脳皮質基底核変性症|頻尿と便秘

このページでは大脳皮質基底核変性症を患う母の闘病記、頻尿と便秘について記録しています。

大脳皮質基底核変性症の自立神経系の症状である「尿失禁・夜間頻尿と頑固な便秘」は指定難病の登録や更新時の提出に必要な「臨床調査個人票」の中に記載があります。
この調査票は主治医が記入するものです。

難病情報センター:大脳皮質基底核変性症とは<外部リンク>






1.現状

【頻尿について】
大脳皮質基底核変性症の症状が出始めて8年の現在、母はバルーンカテーテルを入れています。
トイレに行ってもおしっこが出なくなってしまいました。
数か月前にも「尿路感染による発熱」を繰り返し、また今回発熱し抗生剤投与など治療を行ってもらいました。
【頑固な便秘について】
便秘については通院のたびに母自身が主治医に訴えるほど、不調です。
薬をいただくので毎日それで調整します。
それでも残便感があり週に1度ないし2度浣腸や摘便をしない限り自然と促されることがほとんどなく便秘は本当に頑固です。
この難病には「姿勢保持障害」という症状もあり、トイレで一人で長く座ることが難しく脳が不安定と感じるので力を入れることもできない状況。
高齢になればスムーズな排泄に必要な筋力が衰えることと相まって、より人の助けを借りなければならなくなりました。


2.やっておけば良かったと感じること



「排泄に必要な腹筋などに焦点をあててリハビリを行い尊厳を守り続けること」です。
「大脳皮質基底核変性症」と診断されるまでに4年の時間を費やしました。
病名がわからない4年の間にも尿失禁や夜間頻尿、便秘など排泄障害を母は時に私に訴えることがありました。
無知な私は、高齢が抱える成り行きとして捉えていました。
1年程前の通院時に主治医から「「尿失禁・頻尿、頑固な便秘」はこの病気の特徴のひとつ」と教えてもらいました。
その後いろいろ調べるうちに年に1度更新の必要がある「特定医療費(指定難病)受給申請」の「臨床調査個人票」の中に「自立神経系「尿失禁・夜間頻尿と頑固な便秘」」と記載があることを見つけました。

世の常である老化とは別に大脳皮質基底核変性症の症状のひとつとして捉え何か予防をすることを続けることができれば、人間の尊厳を極力長く保てたのかもしれません。

まとめ

「大脳皮質基底核変性症」の症状のひとつに「自立神経系「尿失禁・夜間頻尿と頑固な便秘」」があります。
排泄欲求は転倒との兼ね合いで特に悩ましい症状だと、母をずっと見てきて私は捉えています。
トイレに行くことは自分で車いすに乗り換えるということであり、転倒のきっかけを多くのタイミングで作ることになります。
転倒を防ぐために人の助けを借りれば、介護する側の頻度が増えます。
そうなれば介護する側は誰しも嫌な気持ちになります。
介護の頻度に目が向けられることが多いため、「さっき行ったばかりだよ」「水の飲みすぎじゃない」など私も口に出したことがたくさんあります。
でも介護される母の立場に立てば、「もちろん自分ひとりでトイレに行きたいよ」「トイレを見られたくないよ」などの気持ちがあり、最初から助けてもらいたい、甘えたいわけではないと思いますが、それでも人の力を借りないとできなくなります。

母自身は排泄問題だけではなく「迷惑を掛けたくないから自分でできる限りやりたい」とよく口にしていました。
そしてトイレ介助をお願いするときは特に
「自分で起き上がること、車いすに乗り移ろうとすることを3回やってみてできなかったときに人を呼ぶことにしている」
「それでも人が来なかったりすれば必死に我慢する」
「間に合わないときには自分で4回、5回、6回と何とかしようと思ってやっている、そういうときに転んでしまうことが多いんだけど」
と3段階に分けて行動しているとよく言っていました。

私が母の立場に立てないので心無い言葉を言ってしまうことがありましたが、母の心の内を聞けば、難病の母だから起きることではなく、当然この先の私にも起きる可能性が平等にあることだと感じます。
「介護する側」の立ち位置にずっといつまでもいられるわけではないと思うのです。「明日は我が身」かもしれません。

「介護」という行動を挟んで「介護する」側と「介護される側」に分かれますが、立場の違いで感じることに大きな違いがあり悩ましいところです。

特に排泄は尊厳に関わることなのでできる限り守ってあげるような手立てを考えてあげれば良かったなと思っています。

母は1か月前までは何とか自分でトイレに行っていました。
介助を必要とすることが徐々に増えてきていましたが。

現在はバルーンカテーテル。一日のうちほとんどをベッド上で過ごしています。

<外部リンク>…高齢者の尊厳と健康を守る! 排泄介護のポイントについて解説


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