「コロナが落ち着いたので、中に入っていいですよ」といったん連絡があったが「またコロナが出ちゃいまして、もう一度施設内立ち入り禁止とします」と追い連絡が来ました。
「やっとやっと会える」とメールで喜んでいた母を思うと悲しそうな顔が思い浮かびます。
- どうやったら難病の母の気持ちを保つことができるのか
1.妙案!
荷物の差し入れの際に施設の受付の方に、あるお願いをしました。
いまの私が母にできること、それは施設の人の力を借りなければできません。
そのお願いに施設の人は快諾してくださいました。
ありがたいことです。
母の部屋は4階。
窓際に立つように介助してもらえれば、母は遠目にも私を見つけることができるのではないか。
母は私に会えたと喜ぶのではないか。
対面といえば対面だけどちょっと遠距離面会。
母の窓と私が立つ位置は距離にして50メートル弱くらい。
母が介助してもらって立つことで体のリハビリに
私と会えたと思うことで心のリハビリに
勝手ながら一挙両得かもと考えました。
- コロナ感染対策で長期会えないときに私ができることは
- 大脳皮質基底核変性症を患っている母は
右手側の手の固縮と右足の違和感とうつがあります。
私が行動を起こすことで
1.施設の人と会話ができるチャンスが増える
2.立つ行動をしようとする
3.私の姿を見せることで気分転換できる
2.コロナ禍ならではの遠距離対面
母が窓際に立つのが見えました。
「るしこちゃーん!」
おー---!母はまだ立てたんだ!
ずっと部屋に籠っていると言っていたけど、ちゃんと自分の力を使って立てたんだ!
難病の症状で半身の筋肉が固縮していきます。
誰かの支えがあれば今は立てる状態、うれしい。
母の声が聞こえます。
「来てくれてありがとう!」
はっきり聞こえます。
難病の症状で、言葉がすぐに出てこなくなっています。
ろれつが回らないような話し方をします。
ちゃんとしっかり母の言葉が聞こえます。
良かった。
母はいつまでも親なので子どもの私のことを心配します。
私の元気な姿を見て安心したことでしょう。
たった1,2分程度の面会でしたが、お互いの記憶に刻まれました。
施設の方、ありがとうございました。
3.本当の対面
1週間後、今度こそ施設内に入ることができました。
入所の方だけではなく多くの職員さんたちもコロナになったという話を聞いてオミクロンの感染力のすごさを目の当たりにしてびっくりです。
入居者の数人を見かけ、元気そうなのを確認。
今までと変わらず、日常がそこにありました。
施設の方々のおかげですね。
母はというと、私を見つけてびっくりして子供のような顔をして喜びました。
難病の症状で、しゃべるスピードも遅く、そして話し始めるのに時間がかかります。
「しゃべると、ものすごく疲れる」とよく言います。
でも今日は会えたことがうれしかったようで、いつもより長い時間、おしゃべりをしました。
嚥下の問題が顕著に出てくるこの難病の症状、会話をすることが何よりリハビリです。
言語聴覚士が週2回担当してくださっています。
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