大脳皮質基底核変性症|【確定診断から7年経過】口腔トラブル
大脳皮質基底核変性症と診断されたのは2019年。
主治医から「ゆっくりと進行する病気です」と説明を受け、その言葉どおり、母の体には少しずつ変化が現れました。
今回は、その中でも口腔トラブルについてまとめます。
先日、訪問歯科医から「お母さまが歯の表彰の対象になります」と連絡をもらいました。
母は昔から歯がとても丈夫で、どこの歯科医院でも
「歯並びがきれいですね」
「歯の質がとても良いですね」
と褒められてきました。
歯をとても大切にしてきた人でした。
この難病だとわかってからも、歯磨きについては「大事なこと」として捉えていたし
歯磨きだけではなく、口をゆすぐことも熱心にしており
そして、それだけではなく、歯ブラシもそのときにあったものを選んでいました。
80歳を過ぎた現在でも、自分の歯が25本残っています。
「8020運動(80歳で20本以上の歯を保とう)」をご存じの方も多いと思いますが、それを上回る本数です。
「本当に丈夫な歯だったんだな」
「歯で表彰されるのもわかるなー」
そう思っていた矢先のことでした。
訪問歯科医から
「歯がぐらぐらしています」
「誤って飲み込んでしまう危険があるので抜歯を考えましょう」
という連絡が入りました。
結果として、母は2本の歯を失いました。
「歯が丈夫だから安心」
他の症状に気を取られていたら、そんなことが起きました。
1.大脳皮質基底核変性症で起こりやすい口腔の変化
歯科医に尋ねると、口の中ではこんなことが起きていると教えてもらいました。
「唾液が減ると歯を守る力も弱くなる」
唾液には、口の中の細菌を洗い流す自浄作用があります。
ところが、大脳皮質基底核変性症が進行し
胃ろう造設した
話す機能を失った
口周りを動かすことが少なくなった
喉も口の中も右側の感覚がおかしい
それもあって唾液の飲み込みが悪くなった
ことで唾液の分泌に明らかに変化がでてきました。
母は日常的に口を使うことがほとんどなくなってしまったので、口の中が常に乾燥している時間が増えてきたのでした。
毎日口腔ケアを施設でしてもらっている
週1の言語聴覚士のリハビリを受けている
それでも自然に唾液で潤っている状態とは大きな差が出てきていると思われます。
結果的に、このように乾燥が続くと歯周病が進みやすくなり、最終的には歯を失うことにもつながりやすくなるのです。
2.口を開けていることが増えた
もう一つ気になっているのが、口を開けている時間が長くなったことです。
食べることが少なくなり、舌を動かす機会も減ったことで、舌や口の周りの筋力も低下しているのだと思います。
口が開いている時間が長いほど、口腔内はさらに乾燥しやすくなります。
そして、舌の筋力低下で注意したいのが舌根沈下です。
舌が喉の奥へ落ち込むことで、呼吸や飲み込みに影響する可能性があります。
母については、言語聴覚士さんにも確認していただき、
「現時点では舌根沈下はそれほどではありません」
とのことでした。
それでも、「今後も注意深く見ていきましょう」
とアドバイスをいただいています。
まとめ
大脳皮質基底核変性症では、手足の症状に目が向きがちですが、口の中にも少しずつ変化が現れます。
歯が丈夫だから、歯がたくさんあるから、今まで通り。
変化が見えないから注意していないと、歯を失うことになるかもしれません。
唾液の減少、口の乾燥、舌の筋力低下など、目には見えないけど、小さな変化が積み重なり、思いがけない口腔トラブルにつながることがあります。
私自身、「もっと早く知っていれば」と思うひとつでした。
毎日の口腔ケアはもちろんですが、気になる変化があれば、歯科医師や言語聴覚士など専門職にも早めに相談することが大事です。
なぜならそのときに手を打つことができれば、いずれ失うことが確定していることでも、後にのばせる可能性があるからです。
持っている機能をできるだけ失わない、それが進行する難病に抗える唯一の方法だと、病気の母と長い時間を過ごして感じることです。
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