大脳皮質基底核変性症|胃ろう造設後の食事
胃ろう造設の手術から、必要な水分と栄養が摂れるようになり、母は徐々に落ち着きました。
今回は母が胃ろう造設をしてからの、お楽しみの食事について記録します。2024/03/15
1.お楽しみ食の注意点
先日の月1回の通院時に主治医から
- 栄養が良くなってきて前のように戻ってきた感じがしますね
と診察室に入った母を見るなり言われました。
- お楽しみは食べれてる?
- プリンやゼリーなど甘いものを好んで食べています
退院後に、言語聴覚士が母の嚥下や咀嚼状態や発声の確認をしてくれたので、
プリンやゼリーを楽しんでいるという状況です。
言語聴覚士によると
「咀嚼が少し落ちているが嚥下能力はあまり落ちていない」
という評価でした。
私が母の食べる様子を観察している限りでは、
上手に噛み砕き
(プリンでもゼリーでもスプーン(小)1口につき5回くらい)
ゴクンと飲み込みます。
- 大脳皮質基底核変性症の場合、運動機能の障害が全部右半身に出るので、右側の飲み込みが悪いはずなんですよ
この難病ならではの注意点を主治医が教えてくれました。
2.お楽しみ食の目的
大脳皮質基底核変性症の症状のひとつである
「失語」
と向き合っていくために、
できる限り母に口周りの機能を維持してもらいたいと考えています。
必要な栄養分と水分を胃ろうだけに頼れば、
口から食べる機能を急速に失わせます。
その機能は話す機能でもあるからです。
でもそれだけではなく、「おいしい」と感じてもらうことも大事にしています。
3.お楽しみ食を楽しむ
例えば、先日モンブランケーキの差し入れを持っていきました。
コーヒーとともに。
モンブランは母が好きだったケーキ。
胃ろう造設前は
モンブランを見ても、全く食べようとする様子もなく、
口をぎゅっと閉じたままになっていました。
それが今では
「おいしい!」と言い、口をあけて何度も催促。
コーヒーもとろみありなのでもぐもぐごっくん。
- おいしい
たった4文字の言葉で、特別な言葉ではなく、ありふれた言葉。
胃ろう造設前には口から食べること自体をあきらめかけたこと。
ましてや母が「おいしい」と言うなんて。
母から聞くことができて私はとてもうれしくなりました。
それに何より、母と私が食を楽しむ姿は、他の人たちとなんら変わらない日常。
その日常に溶け込むことができたうれしさは格別です。
- いまお母さんがこのような良い状態にいられるのはあなたのがんばりですよ、よくがんばっていらっしゃいますね
主治医に言われました。
母と一緒に小さな目標を見つけてやっています。
介護をしていると、
できなくなっていくことを
じっと静かに見守っていること
だと私は感じます。
時に身を任せ、神のみぞ知る未来に流されていくような・・・
その中で小さな希望を見つけて目標とする。
そうすることで私が母に向き合えて来たような気がします。
次は母のお楽しみメニューを増やすこと。
甘いものだけではなく、豆腐や魚など和食に挑戦したいと思います。
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