大脳皮質基底核変性症|原因について
このページでは大脳皮質基底核変性症を患う母の闘病記(原因について)を記録しています。2023/11/15
月1度の通院では、母からの体の不調の訴えがほとんどなくなり、主治医からの問いかけに答えるというスタイルが多くなりました。
会話がシンプルなので、私が主治医に質問する機会が増えました。
今さら「大脳皮質基底核変性症にどうして母は罹ってしまったのか」という原因を探ったとしても、病気が治るわけでもなく、どうすることもできないとは思いながらも……
もしかしたら後の世代に影響がでてくることがあるかもしれないと思ったので、この機会を活かして質問をしてみることにしました。
主治医には、一般的に知られている情報(ネット上や文献などの情報)ではなく、主治医が知っている「最新の情報を聞きたい」と私の目的をあらかじめ伝えました。
難病情報センター:大脳皮質基底核変性症とは<外部リンク>
1.遺伝
- 一般的に遺伝はしないとなっていますが、最近ではどうですか?
- 経験上、診てきた限りはない。
もし大脳皮質基底核変性症で家族性だとするならば、稀も稀、めちゃくちゃ珍しいということになります。
自分の経験だけではなく上司や同僚、他の病院からもその内容は聞かないとのことでした。
2.性格
母はまじめな性格で、コツコツ努力家でした。
そのためストレスを感じやすい性格だったような気がします。
- こういう性格だからこの病気になったということは考えられますか?
- パーキンソン病の場合はなりやすい性格というのはありますが、この大脳皮質基底核変性症にはありません。
どちらかというと脳の外傷で数年後に発病したという例が多くあります。
例えば交通事故など。
お母さんの場合はたまたま大脳皮質基底核変性症を発症したとしか言いようがありません。
必ずなるわけではないが、大脳皮質基底核変性症と診断された場合、過去に遡ると交通事故で頭に傷を負ったということがあるそうです。
患者の中にはとても元気な明るい性格の人もいるとのことです。
3.診断
この病気と診断されるまでに4年ほど時間を費やしました。
- 診断は難しいと言われていますが、今でもそうですか?
- 患者さんが最初に訴える内容はたいていの場合
・原因がわからない話しにくさ
・原因がわからない手の震え
です。
それでもCTもMRIでも異常がありません。
大脳皮質基底核変性症の場合、ドクターショッピングを繰り返すことが多いです。
言葉の出にくさ、話しにくさの訴えは、意味性認知症というのがある。
言語の命令を受けてそれに対して反応返答することが遅れることがあっても、それは普通のこういう会話では出てこない。
「話しにくさ」という訴えだけではわかりにくい。
それでも大脳皮質基底核変性症を多く診た経験のある医師ならば、しゃべってるとなんかおかしい、つまることがなんか気になる、と思い、言語聴覚士に検査してもらうと、これは大脳皮質基底核変性症だとなることもある。
言語聴覚士に検査依頼する判断も、過去に大脳皮質基底核変性症の人を多く診てきたという経験がないとわからないくらい。
とのことです。
そして、主治医は言いました。
- 実際のところ、難病の場合、治療方法がないので、医師として患者さんにできることが少ないのですが、難病ゆえに予後とかこの先どういうふうになっていくのかを正確に患者さんやご家族さんに伝えて支援していきたい、それが仕事のひとつだと思っています。
母を苦しめてきた大脳皮質基底核変性症の長い道のりを振り返ると、診断が下りるまでの時間がとても長く感じました。
辛く悲しいことが多かった気がします。
主治医が言うように私たちもドクターショッピングを繰り返しました。
「あなたの気の迷い」
「神経質すぎるからだ」
「気にしないで生きてください」
など医師に言われたこともあります。
ここに、私が主治医から聞いたことを記録するのは、いつか誰かが読んで、少しだけ気に留めてくれたらと思っているからです。
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