大脳皮質基底核変性症|言語リハビリに向けて
このページでは大脳皮質基底核変性症を患う母の闘病記(言語リハビリに向けて)を記録しています。
大脳皮質基底核変性症の進行に伴い、母のリハビリは口の周りに関することに集中してきました。
「話すこと」「食事のこと」をできる限り今の状態に保つため、または、ゆるやかに機能低下していくことを目的に言語聴覚士のリハビリを受けることになりました。
母の食事量がぐんと減り、飲み込みがしにくそうで、十分に食事を摂ることが難しくなってきました。
周りの人と意思疎通を図るのに欠かせない自分の気持ちを言葉で表現することに関しては、現状、声が小さくなってきたことやはっきりとした言葉ではないことはあるものの、
・「食べたくない」と自分の気持ちを言葉で伝えること
食べたくない気持ちを表現するのに、
・口を頑として開けないない
・嫌そうな顔をする
など、気持ちと行動が一緒な状況です。
体の片側が拘縮麻痺してくることに対するリハビリに重点を置き、今まで体の能力の維持を目的してきましたが、特にここ最近の母の進行段階では、言語聴覚士のリハビリが最優先となってきました。
難病情報センター:大脳皮質基底核変性症とは<外部リンク>
1.「これからのこと」の確認
施設の往診医の診察があり、その後、往診医を含む往診チームと施設の看護チームと私で面談がありました。
誤嚥をすると肺の中に食べ物が入り肺炎を起こしてしまうこと
自分のつばでさえ、誤嚥リスクになること
それでも食事をしておいしさを優先していく人もいること
胃ろうや経管栄養がすべて正解というわけではないこと
胃ろうや経管栄養をすれば体を良好に保ち、他の合併症を防ぐこともできるかもしれないこと
十分に注意しても肺炎を起こしてしまい、経管栄養になることもあること
口からの食事を楽しむことを優先してみる。
誤嚥の可能性があるけれど、言語聴覚士の指導を受けながら、やっていくこと。口からの食事を制限し、胃ろうもしくは経管栄養にすること。
病院へ救急搬送をする。
施設において対応する。
母がどうしたいか
母がどうしたいと思っているか
母の性格を考えて母らしい生き方をするにはどう過ごしていくのがいいのか
- 当然いつでも今の判断を覆してもよく、ただしその判断が決定になるときはいつか来るということだけは理解しておいてください。
- あなたの気持ちはよく理解できました。あなたやお母さんができるだけ後悔のないように言語聴覚士とともに一生懸命やっていきます。一緒にやっていきましょう。
などわかりやすく説明してもらいました。
その説明のうえで「これからのこと」についての確認がありました。
【食事のについていずれかの選択をする】
【緊急なことが起きた場合についていずれかの選択をする】
上記それぞれについて、今の判断で往診医に回答をしました。
2.「これからのこと」への回答
その回答は、
を伝えました。
「当然いつでも今の判断を覆してもよく、ただしその判断が決定になるときはいつか来るということだけは理解しておいてください」
と往診医から言われました。
この確認は、終末期における判断(選択)のことを指しているのだと思いますが、そういう瞬間というのは本人の意思確認をすることはできない状況であり、
本人の代わりに
本人を想い
最善の答えを出す瞬間なのかな
と個人的に思っています。
父のときにも私には荷の重い大きな決断でした。
いまだにこれで良かったのかと言う想いが正直残っています。
また本人の希望と家族の想いとは異なることもあります。
また、その瞬間になると、どう判断してしまうのかというわからなさもあります。
たとえ実の娘であっても、親の生命の分かれ道に立った時に、私がそれを決めてしまわなければならないという深い深い辛い思いがあり、いつまで経っても自問自答が続いています。
父が亡くなってから何年経っても。
私は県内にある難病の会に所属し、難病を患う本人のご家族、または難病を患った本人のご家族の方との交流会に参加しています。
先月の交流会の際に、その経験談を聞いてきました。
また母のいる施設の介護士さんや看護師さんが仕事上経験したことなども聞かせてもらいました。
人それぞれで、私の中で後悔をしない結論には到達でませんが、多くのことを知り、母と私のことを考えていきたいと思っています。
面談の中で
「あなたの気持ちはよく理解できました。あなたやお母さんができるだけ後悔のないように言語聴覚士とともに一生懸命やっていきます。一緒にやっていきましょう。」
という往診医の言葉はとても有難く、心強い気持ちになりました。
私ひとりで何とかやっている気にもなっていますが、本当はこうやっていろいろな人たちが、母に関わってくれていることを忘れてはいけないと強く思いました。
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