施設の面会制限
このページでは大脳皮質基底核変性症を患う母の闘病記、施設の面会制限について記録しています。
母の入所している施設はコロナ第8波の影響で「面会制限」の措置は「面会禁止」となっていて久しいです。
世の中では「5類移行」や「新型コロナ」改め「コロナ2019」と名称変更などのニュースが多くありますが、高齢者の多くが集団で生活している施設ではクラスターの発生リスクを考えての策を講じているところが多いと聞きます。
ある日母がお世話になっている施設から電話が掛かってきました。
スマホに施設名が表示されると私は心がキュンとする、心がチクっとする、心臓がぴくんと跳ね上がるという一瞬にして不安な気持ちでいっぱいになります。
- お母さんのいる同じ階の人がコロナに感染しました
- 今日で二人目の発症を確認しました
私の心臓の音が電話の相手に聞こえてしまうのではないかというくらいにドキドキしています。
さらに電話からの声が続きます。
- お母さんは抗原検査の結果は陰性でした
- でも同じ階の人が二人出たのでこの先は拡がっていく可能性が考えられます
- 明日のことはどうなるかわかりません
- スタッフの多くが感染して人手が足りません
施設内のバタバタしている様子が容易に想像できます。
想像たくましくなくても部屋のベッドで上を向いて寝ているだけの母の姿が目に浮かびます。
面会禁止で人との接触が制限され、このようにクラスターが発生するとスタッフとの接触も制限され、ベッド上で食事をし、部屋から出ることができなくなるので入浴もなしという事態になります。
また母のようにバルーンカテーテルでトイレに行く必要もないためベッドから車いすに移乗することが全くなくなるようです。
最近の「面会」事情の記事は
ヤフーニュース:コロナ禍の面会制限で、減る体重・悪化する認知症 厚労省が高齢者施設の面会を「勧奨」へ<外部リンク>
厚生労働省も面会についてはこんな動画を配信しています。
厚生労働省動画コンテンツ:withコロナで行う高齢者施設での面会について<外部リンク>
2023/02/16時点
1.現状
施設が「面会禁止」措置で家族など外部との接触を絶つと、施設で暮らす高齢者本人にとって影響が大きいことは上記のヤフーニュースの記事にあるとおりです。
長いコロナ禍で明らかになった事実です。
母の場合は月に一度の主治医の通院時に施設から外出するので、その際に施設の中の様子をいろいろと尋ねることができます。
最初は話しにくい様子ですが診察が終わって施設に戻る頃には自発的な発言が多くなり、スムーズな会話のやり取りができるようになるのがとても印象的です。
母に対して話しかけを多くし、母からの発言を促すことをしているとたった数時間でも話すことができてくる状況を前にすると今起きている「大脳皮質基底核変性症」の症状のひとつである「構音障害」「失語」が、病気からの症状なのか、それともコロナ禍による制限された生活からの影響なのか判別がつかなくというのが私個人の考えです。
もうひとつ特に印象的なのでやせ細ってしまったこと。
主治医にも「食事は取れてる?」と開口一番に言われました。
母曰く「ずっとベッドで寝ていたらお腹もすかないよ」
施設の面会禁止による影響は施設内にいる母だけではありません。
先のヤフーニュースの記事にあるように家族にも影響が出ます。
私の場合、母と会うことができない間は直接母の様子を見ることができないので不安が増殖します。
施設から様子を知らせる連絡があるかといえば全くありません。
「何も変わったことがない限りは連絡をすることはありません。」と言われています。
知りたいのに知ることができないので不安もあり不満もあり、いろいろな感情が渦巻くのが現状です。
2.改善にむけて
母の様子をどうにかして知りたいと思ったので何か策はないかとネット検索をして調べました。
①見守りカメラ
②情報共有アプリ
①見守りカメラ
機材を購入し設置するだけ。
ただしインターネット環境が必要。
施設内に私のような家族が使えるWi-Fi環境が整備されているかといえばありません。
そうなると機材を購入した上でWi-Fiを契約する必要が出てきます。
機材の他にWi-Fiの契約料が月額で必要となります。
「見守りカメラ」と「Wi-Fi」がセットになったプランがあることもわかりました。
価格は月額2,000円程度〜
録画機能に優れている
主に施設スタッフが利用者の様子を部屋に行かずとして確認することで業務負担の軽減を目的としているようだ
虐待や暴言などの双方の抑止力と証拠取りが使用目的にひとつ
カメラの向きを変えたり話しかけることができる
施設内に立ち入ることができないので設置を施設にお願いしないといけない
これを設置した場合、母の様子を四六時中いつでも確認できて、好きなときに話しかけることができるようになるのかもしれない
母だけの姿ではなくスタッフの人も写り込むとなれば施設が許可してくれるとは限らない
②情報共有アプリ
スタッフが施設内の利用者さんの様子の動画や写真を撮ってくれて家族がそれを閲覧できるアプリがありました。
アプリはそのアプリ会社と施設との契約の上に成り立つもの
施設にアプリを導入してもらった上でその施設内の家族が使えると言う契約になるので私個人での契約がむずかしいとのこと
さらにいろいろ調べた結果、私個人で契約すれば施設と私で使えるアプリがありました。
月額1,000円
施設にそのアプリ会社から連絡してスタッフに使い方を教えてくれるサービスがあること
操作がスマホの操作と同じなのですぐに使うことができること
Lineなど個人的なツール情報を交換することなく行えること
できることが必要最低限であり私にとって必要なことが揃っていることが私の決め手となりました。
これを使って母の様子を知らせてもらうことにしました。
かい録Sというアプリです。
まとめ
最近は入所施設でのコロナ禍における面会制限は厚労省が「高齢者施設の面会を「勧奨」へ」と推し進めています。
しかしながら母の施設ではコロナクラスターが発生し難しい状況が続いています。
面会禁止は母が食欲がなくなりやせ細り、会話をしにくくなるということが起きています。
「大脳皮質基底核変性症」の症状からの会話のしにくさなのか、面会禁止により家族と会えないこと、クラスター発生による施設措置で介護自体を少なくせざるを得ない状況から来ているのかよくわからない状況になっています。
また家族である私は施設でどのように過ごしているのか全くわからず不安がいっぱいになっています。
これは先のヤフーニュースの記事にあるとおりです。
様々な状況を加味してかい録Sというアプリを導入してみることでいったん解決することができました。
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